スーパースターへの道 in カンボジア

『星』に手を伸ばせ!!たとえ届かなくても in カンボジア

オカマ犬“さそり”が見つめる、スーパースターを目指すカンボジアの若者たちの青春

独立記念日、その後

私がCSAから離れて数ヶ月が経ちました。

前回で最後のブログにしようと思いましたが、

私が思っていた以上に、たくさんの日本人の方がCSAを見守ってくださっていたのを

知りました。

 

そして今月、CSAはまた新たな局面を迎えました。

そのご報告です。

 

 

7月をもって、ポラリックスとスタッフたちは同棲生活を解消。

それぞれ、プノンペンでバラバラに住みます。

この一年間、共に過ごしたスタジオ兼オフィス兼みんなの家は、解散します。

 

 

「独立記念日」後のそれぞれの様子です。

 

ニタ

恋人であるティーと、何度もケンカを繰り返し、

その度に薬をたくさん飲んで自殺騒ぎを起こすので(カンボジア女子あるある)

私たちは、CSA内で一緒に仕事をさせるのは良くないと判断。

私たちは、プノンペンにいらっしゃる日本人のお店にお願いして

ニタを雇ってもらいました。

CSAは、ポラリックスたちが汗水垂らして働いた稼ぎから、家賃を払っています。

社会人として、何もせずにグータラしているニタを無料で家に置いておくわけにはいかないので

ちゃんと働き、家賃を払わなくていいからCSAの掃除をすることを条件に

CSAに住む事を許可していました。

しかし、ニタは最後にはその店の方に嘘の理由を言って仕事を辞め

(本当にご迷惑をかけてしまって、申し訳ない気持ちでいっぱいです)

私たちにも「カフェの仕事の面接に受かった」と嘘をつき

何も働かずにCSAにダラダラといました。

もちろん、そんな嘘はすぐにバレて、終いには

「レナが働かなくてもCSAにずっと居て良いと言った」と嘘をつき・・・

ニタをシェムリアップに帰すことにしました。

ニタは20歳。

若いうちに、怠けて暮らしていては、彼女に幸せな将来はない。

 

 

ニタのシェムリアップ強制送還に伴い、私たちが予想していた事は

ティーもCSAを辞めてシェムリアップに帰るだろうという事態です。

ちゃんと、その予想は当たりました。

ティーとニタはケンカを繰り返し、お互いにFacebookでは他の異性とイチャイチャして

(Facebook浮気 笑)

でも、お互いに別れられない。

ティーはニタとケンカをすると機嫌が悪くなり、他のメンバーに当たり散らす始末。

特にティーは、自分より強そうな者(例えば、ミッキー)にはペコペコするのですが

自分と同等または弱そうな者(つまり、他メンバー)に対してはワガママを言います。

何度、注意しても、私たちは彼のその誤ちを直せなかった。

いつしか、私も夫も、ティーはCSAから離れて

他の社会で学ぶべきなのではと考えるようになっていました。

ティーは、今月末でCSAを卒業します。

ちゃんと契約を終えての卒業なので、ティーには感謝もしています。

 

 

もう一人、ミッキーも今月末でCSAを卒業します。

ミッキーと出会ってから、もう4年か5年が過ぎました。

オーストラリアで育ったミッキーは、確かに他のメンバーよりも賢く

私たちの気持ちもよく理解してくれます。

それで、私たちがミッキーに甘えてしまい、忘れてしまっていた事があります。

それは、ミッキーもまだまだ子供であるということ。

この数ヶ月、ミッキーを中心にCSAの経営権を渡して委ねてきましたが

ミッキーにも出来ないことがまだまだたくさんあるのだと解りました。

ミッキーは、オーストラリアでの生活に馴染めず、カンボジアに戻ってきた。

そしてまた、10月にはオーストラリアに帰らなくてはなりません。

ミッキーには、素晴らしい才能がある。

でも、その才能だけでは、ミッキーは自立できない。

社会で生きていくということは、自分のやりたい事で生きていくためには

イヤなこと、面倒なこともやっていかなくてはならない。

特に、リーダーシップを取っていく人は、すすんで大変な仕事をしなくてはならない。

 

今のミッキーは、リーダーシップは取りたいし、やりたい事もいっぱいあるけど

面倒なことは、他の人に命令してしまうのです。

 

まだまだミッキーも若い。

私たちは思いました、ミッキーは、私たちといるべきじゃない。

もちろん、ずっと一緒にいたいけど、このままじゃダメになってしまう。

他の社会で勉強して、いろいろな経験をした方がいい。

 

そう思っていた矢先、ミッキーからも

「今のCSAの仕事は大変だし、10月にオーストラリアに帰るまでシェムリアップでのんびり過ごしたい」

と申し出がありました。

 

ミッキー、広い社会でたくさんの経験をして、大好きな彼女を幸せにできるくらいの男になって

いつかまた、一緒に何か作品を作れる日がくると信じてる。

ミッキーのこと、とても「大切」です。

 

 

そういうワケで、今のCSAは、もう広過ぎるのです(笑)

 

バラバラに住んで、家賃が安いオフィスを借りて(その方が皆の給料も上がるし)

出直そうという事になりました。

 

 

さて、残ったメンバーですが・・・

 

リンが、危ういです。

リンはタイでのダンスバトル個人戦でトップ4に入るなど

ダンスでは相変わらずずば抜けた才能があるのですが

他の面では、心配ごとしかありません。

「独立記念日」後、出勤時間に遅れてくるようになったのは、

リンでした。

遅れても謝らず、最近では小さなイライラを他メンバーにぶつけるようになりました。

夫がいない、怖い人がいない時には、頑張れない男になってしまいました。

今、リンが幸せを見いだせるのは、新しい恋人といる時間だけ。

「親友」だったはずのミッキーにも、ノリにも、

リンは「本当の自分」を隠すようになりました。

ミッキーやノリは、必死でリンに助け舟を出します。

「リンの様子がおかしい」

と、何度も私に相談してきます。

私も、CSAを離れて距離が出来たぶん、リンに厳しく言いやすくなったので

何度もリンを叱ってきました。

でも、ダメです。その瞬間は立ち直っても、すぐにダメになってしまう。

私は、このままではリン元プロ野球選手の清原みたいになってしまうのではないかと

心配です。

いくら才能があっても、本当の友達、一緒に苦しいことを乗り越える仲間を失っては

いつか歳をとった時、彼は道を失ってしまう。

もちろん、ポラリックスにリンは必要不可欠です。

でも、もし・・・もし、リンが私たちといる限り、ダメだと解ったら

私たちはリンと離れる覚悟でいます。

リンを他の世界に送り出す覚悟でいます。

リンが「大切」なので。

 

私は、CSA以外の世界で働いて、他のカンボジア人の皆さんと仕事をして

CSAよりもっと過酷な環境で、もっと低い給料で

それでも、頑張って一生懸命に働いている人たちが当たり前にいるのだと解りました。

一生懸命働けば、お給料が上がる。自信に繋がる。

怠けていれば、下がる。どんどん、何もかもがイヤになる。

それは、当たり前。

リンに、幸せな大人になって欲しい。

 

 

ロイは、大丈夫です。

ロイは相変わらずおバカでぶっ飛んでいますが、

どんな場所にいても、彼は何も変わりません。

ずっと家族が大好きで、周りにいる人全てが友達で、

リンに八つ当たりされても、八つ当たりされてる事にすら気づきません(笑)

最近、面白かったことは・・・

ロイが、私のピアノの生徒さん(14歳)をナンパしてました(笑)

ボリャさんから「ロイが外国人の女の子をナンパいている」と写真が送られてきて

その女の子が、私のピアノの生徒さんでした(笑)

「ちょっと!!!私の生徒さんをナンパしないでよーーー!!」

 

ロイとの間には、以前と変わらぬ楽しい会話が弾みます。

ロイは、いつも夫の顔をじーーーっと見て、話を聞きます。

皆が怖くて見られない、夫の顔。でも、ロイは大丈夫なんです。

夫がビックリするほど、じーーーーっと顔を見てお話が聞けます。

 

 

ノリは、この数ヶ月でますます男を上げました。

自らどんどんコネクションを作り、いろんな勉強の場に参加し、

今じゃ、カンボジアの若者に絶大な人気を誇る「クミン・クマエ」という

アーティストの家に泊まりに行く仲になりました。

日本でいうなら、なんだろう・・・

「嵐」の誰かの家に泊まりに行く感じかな?

夫の予想を越えて、どんどん、成長していきます。

リンが八つ当たりしてきても

「きっと、何かイヤな事があったんだろう」と大きな心で受け止めて

いつも一生懸命に彼を支えています。

面倒な仕事、イヤな仕事も率先してやるし、学業も頑張っています。

今年のクメール正月、私と夫は、ノリの実家に遊びに行きました。

ノリのお母さんの手料理をご馳走になり、

ノリのお父さんの若い頃の写真を見て盛り上がりました。

そして、ノリのお母さんが、

経済的に不安定なロイの家族のことを見守ってくれているのも知りました。

ノリがこうして立派な男になったのは、全て、彼のご両親のおかげです。

 

「レナ、リンのことは大丈夫だから、心配しないで自分の仕事に専念して」

 

相変わらず生意気ですが、誰より頼りになる素晴らしい男です。

 

 

ヤンは、最近、スピードダウン。

新しい彼女ができて仕事に遅れたり、ボンヤリすることが増えて、

夫に怒られて泣いてばかりいます。

リンよりマシなのは、怒られてワーンと泣いて、すぐにケロッと立ち直るとこです。

リンよりも、格好つけじゃないんですね(笑)

 

ボリャさんも、人として、女として、成長どきです。

ミスをした時に逆ギレせず、素直に謝れるようになって欲しい。

自分のミスを棚にあげず、皆に素直に謝れないと、良いリーダーにはなれないこと

それを勉強してくれるといいな

彼女には、ものすごく偏った固定概念があるので

柔軟な女性になって欲しいなぁ、ゆっくりゆっくり、見守るしかないなぁと思ってます。

 

 

 

そして、これまでCSAを辞めていったメンバーたちですが・・・

結局、みんなプノンペンでダンサーをしています(笑)

 

これは、残ったメンバーから聞いた話なので100%定かではないですが

ヘアンは、一年前に「自立して、タイでダンスを教えながら月に$600稼ぐ」と言っていました。

夫は、今のヘアンの実力でタイでダンスを教えられるワケがないと危ぶみ、

まして、大学を卒業したタイ人の初任給でも$600というのは難しいことから、

「何か間違えている道じゃないのか」

ととても心配していました。

そして、ヘアンが「練習しなくても本番カンペキに踊れる」という発想を持ち始めたことにも、不安を感じていました。

日本のダンサーの先生たちだって、何年経っても満足せず、一生懸命に練習しているのに。

結局は、夫がポラリックスたちと繋いだタイのダンサーさんのスタジオに一度レッスンに行っただけでした。(おそらく、恋人のお金で)

タイのダンサーさんが、そう教えてくれました。

その前後、シェムリアップで商売をしていたようですが(おそらく、恋人と一緒に)

今は、プノンペンでバックダンサーをしています。

夫が繋いだ芸能コネクションを利用して。

 

 

コンも、同じです。

女遊びが原因で朝の練習に参加できず、それを私たちに叱られ、

逆ギレして出て行ったコン。

「CSAに問題があったから辞めてやった」

と周りに言いふらし

「家族のことが心配だからダンスに集中できない」

と言っていたのに、プノンペンでダンスやってます(笑)

最近では、K-POPを真似するダンスチームに所属している様子。

そして、こちらもまた夫が繋いだ芸能コネクションを伝に

バンクダンサーとしても稼いでいます。

狭い世界なので、情報はすぐに入ってきます。

 

キンも、同じく。

CSAを辞める時は、ダンスは辞めてタイで働くと言っていたけれど

タイでの仕事が大変で、すぐにカンボジアに戻り

たまたま、キンの親戚の女の子がシンガーとして活躍しているので

コネで彼女のバックダンサーになりました。

髪を金髪にして、キンがリーダーとなり、ダンスチームまで作っているらしいです(笑)

そういえば、コンが辞めたあとに言ってたっけ

「コンが辞めたら、俺をリーダーにしてくれるって言ってたじゃないか。」

「俺は頑張らなくても、お金が欲しい。」

もう・・・ノーコメントです(笑)

 

お金の管理で私に怒られ、逆ギレ退団したK.A.も、まだプノンペンで他チームに所属し、

ダンスをしている様子。

ときどき、SNSに

「私はもうダンスを辞める」

という投稿をしながら。。。(笑)

 

私は、ずっと呪縛に囚われています。

夫や、ポラリックスたちが必死で作ってきたコネクションを使って

バックダンサーをしてお金を稼いでいたりする彼らを

どうしても許すことが出来ません。

そして、さんざん夫の愛を受けておきながら

「ケンから愛情をもらった事はない」

と平気で言ってくる彼らを、許せない。

夫が、みんなの体調、夢、家族、将来を想って

病院に連れて行ったり、家族と話したり、お金の工面をつけたり

日本やタイのダンサーさんにお金を払ってレッスンに来てもらったり

エネルギー使って怒ったり、タイに連れて行ったりしたことを

なんで忘れてしまうのか

「罪を憎んで人を憎まず」

それって、どうやれば良いのか

 

先日、人生の先輩にこの呪縛について相談しました。

「私は、どうやったら彼らを許せるのでしょうか」

先輩は、こう言いました。

「一生、許さなくて良いんじゃない。時間が解決してくれる事もある。

私にも、必死でぶつかった相手に対してそういう気持ちになった過去はある。

あなたが人を裏切ったり、隠し事をしたりしたんじゃなければ

それで良いんじゃない」

 

少しホッとしたのと同時に、私はこの呪縛から解放される方法を知りました。

それは、自分の家族や友達を思い浮かべること。

自分の家族や友達を思い浮かべると、そんな呪縛が少しずつ薄れていくのが解りました。

 

そして、私は彼らを許すことは出来ませんが

ダンスの先生方をはじめ、彼らがお世話になった皆さんとは

これからも良い友達、良い関係でいてもらえたらと思っています。

勝手な願いごとですが・・・

 

 

 

ソヒャップは、ときどきCSAに遊びに来ます。

彼は今、旅行会社で働き、夜は公園でフィットネスを教えて小銭を稼ぎ、

時間がある時は彼の父の仕事を手伝いに行っています。

ときどき「レナさん、私はどうやったらこの貧しさから解放されるのかな」

と切羽詰まった相談メールがきます。

私はこの数年で学びました、お金は何も解決しないことを。

もう、それぞれにコツコツ働くしかないんです。

お金を過去に使うのではなく、未来のために使うしか、ないんです。

 

 

タタとカンニャは、今でもしょっちゅうチャットします。

二人は、それぞれシェムリアップで自分の仕事を頑張っています。

先週は、二人がプノンペンに遊びに来たので一緒に食事しました。

「一番、イヤなヤツだったノリが、今はあんな立派になってねー」

なんて会話をしています(笑)

タタは、夫に

「ケン、私の将来の夢に向かうには、どうしたらいいのーーー!?」

と相談していました(笑)自分で練習した絵を、夫に見せて、批評をもらっていました(笑)

 

カンニャは、日本に行くと、夫の家に遊びに行っています。

夫の家族が大好きなのだそうです。とても嬉しいです。

そして、カンニャに対し、まるで親戚の子のように接してくれる夫の家族に

心から感謝しています。

 

 

そして夫

夫は、「カミナリ親父」ではありませんでした。

私がCSAの外の世界を見て感じたことですが、

会社のトップは、夫より厳しく怖い人なんていっぱいいる。

夫は、私よりもずっと皆に優しく、皆に情があります。

時には、CSAに向かうのがイヤになってしまう程に。

夫が弱気になっている時、支えてくれるのは、IMOをはじめとした友達です。

リンにも、そんな友達が出来るといいなと思っています。

 

これからCSAはどうなるのか?

夫の夢、みんなの夢はどうなるのか?

 

ときどき、見ているのが辛くなることもあるのですが

私なりに、近くでサポートできたらと思っています。

 

 

 

2018.7.7

高松 怜奈